天然染料と合成染料の発色を調べる

                            

津田 竹内

 

目的

色の正体は一体何なのか?染料をひとつの切り口として、染料と繊維の関係について発色を通して調べることを目的とした。

 

 

色について

色を感じるには光がなければならない。光は電磁波の一種であり、その性質は波長によって異なる。肉眼で感じることができる光を可視光と言う。

太陽光をプリズムに通すと虹の色である赤、だいだい、黄、緑、青、紫が連続して見える。これは太陽光にこれらの色を持つ光が含まれていることを示している。得られた光の強度分布をスペクトルと言う。

白色光からある色の光が欠けると色が現れる。例えば、赤色の光が欠けると私たちには青緑色として見ることができる。そこで青緑色は赤色の補色であると言う。一般に補色とは白色光からある色の光を差し引いた時に私たちに感じられる色である。つまり、ある色の光とその補色の光とを混合すると白色光が得られる。

物質が色づいて見えるのは、その物質が白色光の特定の色の光を吸収するためであり、このような物質を色素と言う。

 

 

色素について


 

 

 



 

 

 

←左から

のり、ほうれん草、朝顔、リンゴから得た染料

天然染料の抽出

 方法

     粉末状にして、メタノールを入れて沈殿させる。その後、ジエチルエーテルを入れる。

     タマネギは皮を水で煮る。

 

 

 

 

合成染料の抽出

 方法

     オレンジ色は、ナフトールと水酸化ナトリウム水溶液に、ベンゼンジアゾニウム水溶液を加えて吸引ろ過する。

     黄色は、ナフトールの代わりにクレゾールを使用する。

     このオレンジ色と黄色はアゾ染料と言う。

 

 

 

 

 

 

 

←左から

オレンジ色、

黄色の吸引ろ過


 


染色について

 染色とは、染料で繊維を染めることである。その方法として、直接染色法、酸性染色法、塩基性染色法、建て染め染色法、媒染染色法、分散染色法がある。今回は直接染色法と媒染染色法で染色した。

 

      

 

 

 

←タマネギで染色

 

直接染色法とは、木綿、麻、レーヨンなどのセルロース繊維に対して親和性を利用する染色法である。染色操作が容易だが、色相の鮮明さに欠け、色落ちや色あせしやすいという特徴がある。オレンジ色、黄色、タマネギを用いて染色した。

 

 

 

媒染染色法とは、あらかじめアルミニウムや鉄などの金属塩溶液で処理してから、媒染染料の溶液に浸す染色法である。羊毛、ナイロンに良好な染色性を持ち、色落ちや色あせしにくく、使用する金属塩溶液によって発色が異なるという性質がある。タマネギに対してアルミニウムと鉄を用いて染色した。

 

 

 

 

←左からタマネギと

ミョウバン[Al]塩化鉄(V)[Fe]で染色

 

 

 

染着について


↑染料の電気と繊維の電気が静電気的な力で付着する様子

染着とは、染料の溶液に繊維を浸すと、色素が繊維のすき間に入りこんでいって、繊維にしっかりと付着して離れなくなることである。性質は、羊毛、絹、ナイロンには、プラスやマイナスの電気を帯びている部分がある。木綿、麻、レーヨンには、少しだけプラスやマイナスの電気を帯びている部分がある。これらの布は、比較的何にでも色が着く。アクリルには、マイナスの電気を帯びている部分がある。これは、プラスの電気を帯びた染料と着く。ポリエステルには、プラスやマイナスの電気を帯びている部分がないので、比較的色が着きにくい。

 

 

考察

     色はスペクトルの吸収と反射によって発色する

     染料と繊維、染色法のよって、発色が異なる。

     媒染染色法よりも直接染色法は、色が定着しにくかった。

     同じ染料を使っても媒染に利用する金属によって、発色が異なる。

     綿、麻は、発色しにくかった。

     絹、羊毛は、染料によって染着しやすいものと、しにくいのもがある。

     天然染料の抽出は出来たが、思った色が発色しなかったので、思った色を出すには、合成染料を用いることがよさそうだ。

     合成したアゾ染料の結合は、同じアゾ基でのカップリングなので、ナフトールの部位と、クレゾールの部位での光の吸収が異なることが考えられる。

     天然染料は同じ物を利用しても、繊維と使用する金属での発色の違いが出ることから金属が化合することで物質の変化が起きることと、繊維と染料の結合による光の吸収が変わることが考えられる。

     物体の発色を調べることで、光の吸収をもとに物質の構造の同定や結合の様子が推定される。

 

 

 

参考文献

 http://www.sumitomo-chem.co.jp/chemtex/senryo/04tech_pdf/04tech3kakuron.pdf

染料各論 1,セルロース繊維用染料HH1…

http://member.nifty.ne.jp/USHIDAchem.htm

染色をする人のための化学の基礎知識

 http://www.f2.dion.ne.jp/~juni/genri.htm

草木染めの原理

 http://water.sannet.ne.jp/masasuma/masa/p15.HTM

15,芳香族化合物