カエルの生態について

― どのようにして自然に適応しているのか ―

班員:増山・細川・堀江

 動機 ★

自然の中でカエルを観察してみるとそれぞれの場所によって色が異なっていたので、カエルの生態を調べてみようと思った。

 

      実験内容 ★             

 T.カエルはどれぐらいの時間で体色変化をおこなうのか

 U.カエルは冬眠せずに生きられるか

 V.カエルはミールワームのみで飼育可能か

先生から寒さでカエルが死んでしまうのではないか、人が与える生き餌を食べるのかどうかと指摘され、カエルの実験を行うのは難しいように思われたが、私達は魚津水族館の職員の方などから飼育する上での注意点を聞き、実験を行った。

 

T.カエルはどれぐらいの時間で体色変化をおこなうのか

アマガエルは他のカエルより体色変化が早く、手にはいりやすかったのでアマガエルで実験を行うことにした。

● 日本雨蛙(ニホンアマガエル)

《分布》 日本全国。

《大きさ》 2045mm。メスが大きく、ふつうは40mm以下。

《すみか》 平野や水田など。

《鳴き声》 グエッグエッグエッと連続して鳴く。

   《行動》 補食者から逃げたり、敵の目を欺いたりするため

周囲の色に擬態する。

 

 

         実験方法

 

   

 

 

 

 

図1 

 

図1のような装置で明暗条件と周囲の環境の条件を実験ごとに変えて行った。水槽に色紙を貼る,または枯れた松や草の葉を入れ周囲の環境の条件を変えた。それにゴミ袋をかぶせてさらに段ボールの箱にいれ、これを暗所とした。一方これに蛍光灯をあてたものを明所とした。                                                            

 

暗所

明所

周囲の環境

レンガ(茶)

レンガ(茶)

(緑)

(緑)

落ち葉(松)

落ち葉(松)

落ち葉(広葉樹)

落ち葉(広葉樹)

折り紙(黄・緑・茶)

折り紙(黄・緑・茶)

なし

なし

 

温度、湿度をほぼ一定に保ち

(温度 19.5

湿度59.9%)

実験時間は10分

       20分                                        

       30分                                     

に区切り実験を行った。

                             ※ 自然界のものは斜体

● 結果

                 

 

 

 

 

 

                   図2 

 図2は明暗条件は暗所、周囲の環境はレンガの上で実験を行った場合20分後の変化を示した図である。

 

 

 

 

 

 


図3 

 図3は明暗条件は明所、周囲の環境は松の葉の中で実験を行った場合の変化を示した図である。

 

図2のように短時間でグレーに変化したものが多かったが実験時間を長くしても、私達が期待した周囲と同色にはならなかった。

                        

 アマガエルは黄・黒・青の三種類の色素胞を持っており、黄色素胞は黄色と白色に、青色素胞は青色と白色に、黒色素胞は黒色と白色になる。例えば、黄色素胞と青色素胞がともに拡散したら、緑色になる。このことは例えると、白・黄・黒・青の絵の具を周囲の色に合わせて混ぜ合わせたようなものである。拡散・凝集は脳下垂体中葉から色素胞刺激ホルモン(インテルメジン)により調節される。

 

● 考察

 これらのことを調べた上で、実験結果について考えてみた。私たちの期待する体色変化が起こらなかったのはホルモン分泌が十分に働かなかったためである。

その原因の一つ目として考えられるのはストレスの影響である。飼育水槽の大きさには限界があるが、実験直前も素手で触り,実験開始まで時間をおくことをしなかった。

二つ目として、実験を行った時期である。実験期間中は冬だったため温度調節をすることでカエルは活動した。しかし体内周期のようなものが存在しているとすれば、日長も影響して気温に関係なく本来冬眠している時期なので脳からのホルモンの分泌が低下し色素胞の拡散・凝集に影響したのではないかと考えられる。

 

U.カエルは冬眠せずに生きられるか

冬眠について、カエルは変温動物なので気温が8℃〜10℃以下になると冬眠にはいり、0℃〜3℃以下で凍死する。冬眠中はすべての生理作用が行われなる。生物室は冬の間特に夜、非常に寒くなるのでカエルが凍死するおそれがあった。そこでヒーターを用いて水を温め水槽内を約20℃に保った。

 

● 実験方法

アマガエル3匹を水槽内(29×60×36cm)で飼育し,中には石(

1小3個),植物(日々草など2鉢),木(30cm)を入れ水深(2.5cm)にし

て自然環境に近づけた。カエルは土や砂の中で冬眠をするので土砂は用いなかった。逃げないように網と穴あきごみ袋で蓋をした。またこれは水槽内の温度を一定に保つ役割を果たした。

                     

      結果

カエルは冬眠も凍死もすることなくヒーターが必要でなくなってきた今まで約3ヶ月

活発に活動している。                                                                                  

 

V.カエルはミールワームのみで飼育可能なのか

 

 実験方法

カエルは動くものに対して良く反応し昆虫やミミズ、バッタなど視力を頼りに食べる。餌としてミールワームというゴミムシダムシの幼虫を生きたまま与えた。見かけはミミズのようで動きが鈍く食べるか心配であった。最初にバッタなどを与えたがアマガエルには大きすぎたため食べなかった。長期的に餌を与えることを考えてハエなどに比べ比較的飼育が簡単であるので用いた。またカエルの糞を観察することで、カエルが餌を本当に食べているのか確かめた。糞は飼育水槽内の葉や壁面についたものを採取した。

        

● 結果

2日に1回、1匹あたりに3、4匹与えると全て食べた。他の種類の餌を与える必要はなかった。糞を観察すると消化前にみたミールワームの皮と同じものが糞の中にみられたので、皮以外すべて消化されてしまったものと思われる。また植物の葉などは食べなかったことが分かる。

 

★ まとめ ★

T.冬期の体色変化は季節・環境・ストレスに影響を受け、ホルモン分泌が低下するため保護色は認められなかった。

U.温度さえ調節すればアマガエルは冬眠をしない。

また環境を整えることでその後も生育可能である。

V.餌はミールワームだけで十分飼育可能である。

 

★ 参考文献 ★

     日本のカエル/山と渓谷社

          新生物IB・U/数研出版

     動物の色素/内田老鶴圃

     魚津水族館協力

      http://sci.ed.okayama-u.ac.jp/sci/zoogy/ZOOJ.HTML